友情系 003-2 / TYPE-S

心の闇 ―石岡和己―
こころのやみ ―いしおかかずみ―






 君と離れ、君の残した影を追い。
    
 いだ
 僕は君に抱いていたもう一つの感情に、気が付いた。



 君は知ってたかな……?
        
ひと
 僕に男として、人間としての在り方を教えてくれたのも君だったけれど、
        
ひと        おびや  つづ
 僕の男として、人間としての自尊心を脅かし続けていたのも、やはり君だった。



 ねえ、君は知ってた……?

 当たり前の日常から、親しい者が突然消えてしまう哀しさ。
         
 
 僕はあれから、あの娘の思い出を知る君の存在にどれ程救われてきたか知れない。

 いつだって、心の奥底でそのことに感謝してた。

 なのに……。



 ――正直、現実になるなんて信じてなかったよ。

 まさか君までもが、僕から離れていってしまうなんてね。

 ……解ってる。友情には深く感謝もしてる。――でも、



 本当は君に逢いたいと、傍にいて欲しいのだと言ったら、君はまた、怒るのかな。




 誰と一緒にいても、どこにいても、君のことを考えてしまう。

 この部屋にいれば尚更。



 ねえ、もう二度と逢わないつもりなら、

 残していった思い出が、あまりに、多過ぎるよ……?











(御手洗さんヴァージョン程ではないけれど)これも結構笑ったわ……。
改訂前のものも置いておけば良かったかな?
今考えるとちょっと惜しかったかも……。

*** 御手洗潔ヴァージョンはこちら ***



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