【 霜降月 】
しもふりづき

2006年11月01日(水)
≪聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜≫・2


 さて。念願のDVD購入を果たしてから凡そ十日間が過ぎた。
 “一度観た作品だから大して感想も変わるまい”、そう思っていた
 のだがやはり二年以上も経過しこうした事件が間に起こると多少は
 感じ方も変わってくる。

 まずは“絵”。相変わらず美しいが以前と比べて観るとどこか少々
 幼くなっているように感じた。声優陣の声質が変わったと言うなら
 絵も変わったと言うべきだろう。
 いや
――そもそもこの程度の変化、起こっていて当然なのだ。創造
 者達は人間だ、ましてや≪〜星矢≫にだけ関わって生きてきたわけ
 でもない。原作者だって昔のままではないだろう。勿論私達視聴者
 だって昔のままであるはずもないのだが。

 ≪冥王ハーデス十二宮編≫(“冥界編”序章)の後に――つまり“冥
 界編”の完成を待たずに
――劇場公開されたこの≪天界編 序奏〜
 overture〜≫は決して娯楽作とは言えず、初めてぶらりと映画館を
 立ち寄った者には全く理解の出来ない構成となっている。≪聖闘士
 星矢≫という物語の基本ストーリーを知っている者にとってさえこ
 の映画を一度で理解することは難しい。
 ≪聖闘士星矢≫にはどのシリーズにも大凡決まったストーリー展開
 があり
――まぁ悪く言えばワンパターンなわけだが――それを簡単
 に説明すると以下の通りとなる。

 1:地上と沙織の生命が危機に曝される。
 2:星矢が負傷する。
 3:紫龍が負傷する(聖衣を脱ぐシーン含む)。
 4:氷河が負傷する(マーマの回想シーン含む)。
 5:瞬が闘っている最中にどこからか一輝が現れ瞬の敵は倒してく
   れるが第二の敵に二人同時に魘われ負傷する。
 6:沙織の生命がいよいよ尽きようという瞬間に紫龍や氷河、瞬、
   一輝が瀕死の状態ながらも敵を倒しに駆け付ける。
   が、すぐにまとめて吹き飛ばされ最後に星矢が現れる。
 7:星矢がどこからか現れた射手座
(サジタリアス)の黄金聖衣を装着
   する。
 8:危ういところで死から逃れた沙織が神に説教をし、星矢が神に
   黄金の矢を射て、地上に平和が戻り物語は終了する。

 舞台を変え敵を変え聖衣を変え同じストーリーをただ只管延々と繰
 り返してきた
――これが≪聖闘士星矢≫の世界である。
 しかし≪天界編 序奏〜overture〜≫は違った。まず驚いたのはい
 つもと違うストーリー展開だ。
 
 車椅子に坐り微動だにしない星矢と彼の世話をする沙織がいきなり
 スクリーンに登場、舞台は周囲に人気のない山荘、物語はそんな様
 子から始まった。今回は星矢が闘うことを、聖衣を纏うことを畏れ
 たり、沙織が星矢を殺したり、瞬が一輝を守ると言ったり、氷河と
 紫龍が登場と同時に力尽きていたりと予想だにしないことのオンパ
 レードで、いつもなら序盤に出てくるはずの最大の敵(今回ならア
 ポロン)が待っても待っても出てこない。
 そう
――この映画、声に違和感というよりは絵にも音楽にも物語に
 も違和感はあった。とにかく全てが“静か過ぎる”のである。往年
 のファンが不満を訴えたのは主にこの点であろう。
 あとDVDを観て気付いたことだが青銅聖闘士達の演技、これの変
 化には“周囲の役者陣”とも大いに関係があるように思われた。青
 銅聖闘士同士の会話、女神との会話にはあまり違和感はないのだが
 ここに新しい敵が加わると芝居に妙な温度差が出てくるのだ。この
 映画、敵役に神谷明氏や水島裕氏、難波圭一氏、中原茂氏等馴染み
 の深い役者陣を起用していたらまた違った安定感があったのではな
 いかと思う。別にオリジナルキャストを庇うわけではないが芝居が
 変わるのは何も本人達だけのせいではないのだ。
 さて、大して物語は進行しないまま時間は過ぎやがて終盤へと差し
 掛かる。
 最早星矢は“沙織を守る一人の少年”、沙織は“星矢を守る一人の
 少女”としてのみ存在しており地上の平和を、聖闘士を、女神を守
 るというテーマの話ではなくなっているらしいことに気付く。
 一見本末転倒のような気もするが、個人的にはこれでもいいのでは
 ないかと思った。この“天界編”を≪聖闘士星矢≫の最終章にする
 のなら。
 ――とにかく沙織と星矢はようやく姿を現した神・アポロンと全力
 で闘おうとする。しかし
――ここで突然スクリーンは暗転し。

 衝撃のラストへと導かれる。
 舞台は序盤に出てきた山荘、スクリーンには普通の少年、少女の恰
 好をした星矢と沙織。

 星矢「あ…すみません… ここがあまりに美しくて――
   「何か懐かしい想いがする 初めて来たのに…」
 沙織「気になさらなくていいんですよ…」
   「私一人しかいませんし…」
   「探していらっしゃる方と 会えるといいですね」


 「えっ、何だこの他人行儀な会話は。まさか
――記憶喪失!?」
 観客の疑問は解けぬままスクリーンは闇となりエンドロールが流れ
 始める。
 その時に使用されたEDの歌詞がこれ。歌っているのは≪ペガサス
 幻想≫のMAKE-UPである。



   旅路の果て 記憶の影 Your Eyes
   その瞳に宿る 祈りの尊さを

   傷だらけの 翼よ もう一度
   はばたいておくれよ あの天空
(そら)に続くOneWay

   抗えない運命
(さだめ)の波を Break Out ! 今
   君がまだ信じてくれるのなら We can fly forever

   聖闘士星矢――また始まる物語
(ストーリー)
   聖闘士星矢――約束をしよう
   聖闘士星矢――まためぐり逢える日まで
   聖闘士星矢――サヨナラは言わないさ……Never Stop !



 この曲は恰好良かった。確かに恰好良かった。
 だが私だけではなく観客は皆心のどこかで思っていたはずだ。「こ
 の時代になって≪〜星矢≫のロードショーを一本公開してくれただ
 けでも奇跡に近いのに本当に続編なんて創れるのか?」と。
 ただこの曲だけが私達の希望として心の隅には残った。力強く、こ
 んなにしっかりとした歌詞をこの映画のEDに使ったのならそこに
 は堅い信念がこめられているのだろうと。
 だが……
 結局この映画がオリジナルキャストで観られる最後の作品となって
 しまった。そう、二十年間私達が愛し続けてきた≪聖闘士星矢≫は
 ヒーロー、ヒロインのこんなシーンで唐突に幕を閉じてしまったの
 である。

 それにしても一度決まっていたEDをこの曲に代えさせたのが原作
 者だという話だから今となってはまた首を傾げてしまう。
 まさか原作者は新しいキャストで続きを上演しようと思いこの
 曲を流したのか?
 だとしたらこんなに酷い“約束”はないだろう。

 最後にDVDのブックレットに掲載されていたオリジナルキャスト
 陣のコメントを付記しておきたいと思う。皆さん原作にない“天界
 編”の今後をとても楽しみにしていたようだ。



 古谷徹[ペガサス星矢役]:お話しを戴いた時はとても嬉しかったで
 す。(中略)青銅の友情よりも、星矢の沙織への想いを中心とした構
 成に戸惑われた方もいらっしゃると思いますが、『聖闘士星矢』が
 熱き小宇宙と共に21世紀に復活した事は確かです。『完結編』ま
 で応援よろしくお願いします。

 鈴置洋孝[ドラゴン紫龍役]:劇場版新作のお話しを戴いた時は「い
 やー、なつかしいなぁ……」と思いました。(中略)今回の『天界編
 序奏』も昔どおり、車田ワールドが展開される作品でしたね。見ど
 ころはもちろん、数少ない僕の出番です(笑)。この作品をご覧にな
 った皆さん、今回はまだ序奏ということですが、次回作はもっと出
 番があると思いますのでお楽しみに。

 橋本晃一[キグナス氷河役]:「いつか、また……」という思いは私
 の中にもあったので、お話しを戴いた時は、氷河の“どんな夢も信
 じて貫けば必ず現実のものとなるのだ”というセリフ通り、夢が現
 実になった喜びと共に、運命のような責任を感じました。(中略)こ
 れからも『聖闘士星矢』そして“氷河”を温かく見守って下さい。
 それが次回にきっと繋がります。これからも応援ヨロシク!

 堀川りょう[アンドロメダ瞬役]:オファーを受けた時の「やったー
 !! あのメンバーともう一度出来るぞ!」という期待感、ワクワク
 感が忘れられません。「演り切ってみせようじゃないか!
 永遠(エ
 
ターナル)アンドロメダ瞬!!」という意気込みで挑みました。(中略)
 出演者、スタッフ一同楽しんで作り上げました! 楽しんで頂けま
 したでしょうか? また新作が出来るように、これからも応援宜し
 くお願いします。

 堀秀行[フェニックス一輝役]:『聖闘士星矢』の劇場作品を作ると
 聞いた時は、正直“嘘”って感じでした。(中略)最後に、相変わら
 ずその兄弟愛(涙)、さらに友情、信頼、ともすれば希薄になりがち
 な現代。もう一度周りを見回してごらん。今貴方は、誰と話し、誰
 を信じ、そして何をすべきか(古谷徹並のくさい台詞)。それが見付
 かれば君のコスモは全開だ〜。

 潘恵子[城戸沙織役]:今回の『天界編 序奏』のお話しを戴いた時、
 嬉しかったのは確かですが、不安もありました。監督からは「ハー
 ト……気持ちを大切に!!」と指示を戴き(基本中の基本ですが)、今
 回は初心に戻って沙織を演じました。(中略)好きな場面は最終シー
 ンですね。皆さんに“この先どうなるの?”と思い続けて欲しいで
 す。では最後に、作品をご覧になった方は、人を憎むより、人を愛
 する人間になって欲しいです。


2006年11月03日(火)
有意義な一日


 …と言っても今日の私はろくなことをしていない。
 ただだらだらと寝転がりつつPCからネット小説を読み耽ったり、
 オークションを覗いたりしていただけだ。

 しかし。

 ここ三週間程必死になって捜し続けていた≪聖闘士星矢≫のCDS
 が全く思いもかけないところから見つかった。
 それだけではない。数ヵ月前から捜していた下着が、フィギュアが、
 グッズが、今日一日(しかもほんの数分)で全て目の前に現れたのだ。
 ←違う家二箇所から。



 ありがとう氷河。←別に関係ない。



 これでようやく友人に≪聖闘士星矢≫のCD、DVDを鑑賞して貰
 うことが出来ます。
 短時間で作品を堪能して貰えるように頑張って編集するから、もう
 少しだけ待っててね♪


2006年11月05日(日)
≪聖闘士星矢 タイピング流星拳≫


 「まぁいつか買うから今はいいや」、なんてお店で呟き続けている
 うちに入手が困難となってしまったこのソフト(声優交代騒動以来
 更に価値が上がった)、昨日新品未開封をようやく入手しました。

 いやー、でもこれ難しいよー。
 ≪修行編≫≪銀河戦争編≫までは簡単なのに≪黄金十二宮編≫から
 が突然長文になり過ぎる(私のタイプ能力が低いからか?)。

 しかも打たされる文章がマニアック過ぎて……(一発目が“孤児院”
 だったぞ:苦笑)

 例1:瞬
 「もうこれで」
 「終わりにしよう」←上から目線な発言。
 「僕はこれ以上」
 「闘いたくない」

 例2:瞬
 「ああやっぱり」
 「僕の兄さんだ」
 「生きていたんだね」
 「兄さんっ」

 例3:瞬
 「男らしく」
 「やさしい」
 「かつての兄さんに」
 「もどってくれるなら」
 「喜んでこの命を」
 「さしあげます」

 例4:一輝
 「お前の泣きっ面には」
 「ほとほと」
 「愛想がつきた」
 「瞬おまえから」
 「血祭りにあげてやる」

 例5:氷河
 「あそこへいって母にあえることが」
 「心の拠りどころだったのだ」
 「何も持たないこの氷河にとって」
 「唯一の大切なものだったのだ」
←またか。



 こんな長文、科白知ってる人にしか一瞬で読み取れないよ



 クイズも本当にカルトだしね(氷河のマーマの名前や邪武達の修行
 地、銀河戦争の対戦相手はともかく火時計の“何時が何座か”まで
 咄嗟に判断出来ないし:笑。←あの火時計は逆回りなのです)。

 ……いや、面白かったんだけどね?
 マニアにはお勧めです。



 追記:ところで≪修行編≫での師匠に対する瞬の科白。
    「そろそろ日本へ帰ります」ってアンタ……。

    聖闘士の修行地は自分の気持ち一つで出たり入ったり出来る
    ところじゃないんだぜ?

    どんだけ実力を隠してたんだ、一体……(怖い)。


2006年11月08日(火)
♪ 空 高く (hu-) かかげようー

 どうしてこんなにまでも絶望的な状況の中
 純粋に作品を楽しめてしまうのか
 今哀しみに暮れているファンの皆さんには
 大変申し訳ないなという想いも
 常に心の中にあったりはするわけなんですが

 ああ、何て可愛くて素敵なんだろう
 私の青銅聖闘士達

 こんなに好きだとは思ってなかったよ
 (姉達は知っていたらしいが)
 こんな形で再認識したのは不幸だったけれど

 もう何かねー、今
 星矢を、紫龍を、氷河を、瞬を
 そしてあの一輝や沙織さんまでも
 こう両手でガッ、って抱き締めて
 思いっ切りギュ
―――、ってしてやりたい気分なのよ
 「お前等いつも大変だな、莫迦だな!」って
 「でもどうせ誰が止めたって利きゃしないんだろうから」
 「皆でとことんまで頑張れよ!」って
 言ってやりたい気分なんですよ
 出来ることならば

 しかし毎回毎回いいことないね、ここの主人公達は(笑)
 他の漫画の主人公達はもうちょっと巧くやってるっていうのに
 不器用って言うか莫迦正直って言うか

 でもその一生懸命さが大好きだったんだよ、私は
 だから決してスマートに恰好良く勝利するヒーローにはならないで

 ずっとずっと永遠に
 私の中の希望として心に生き続けて下さい


2006年11月10日(金)
買っちゃったわよ

 ≪聖闘士星矢≫TVシリーズのレンタル落ちビデオ。
 ≪聖域十二宮編≫十二本と≪聖域十二宮番外編≫三本と≪ポセイド
 ン編≫三本です(≪黄金の指輪編≫七本は落札に失敗した……)。
 このビデオ、発売が確か1980年後半〜1990年前半ぐらいだったと思
 うので、私は当時学生生活の真っ最中だったわけだ。

 もうこれは本当に本当に欲しくてねー。でも一本一万円なんてさ、
 どう考えたって買えるわけないじゃない?
 ≪聖域十二宮編≫第02巻〜第05巻のジャケットを観て感動し、瞬が
 ジャケットの第06巻が出た時にはもうお店の中で泣こうかと思いま
 したよ(瞬ファンだったので)。
 何でこんなに可愛いんだちくしょう、誘拐してやろうか、とレンタ
 ルビデオ屋さんに行く度に必ずジャケットを数分間眺めてました。
 第06巻だけ買おうかと本気で考えたりしてね。
 いや、後の四人に失礼なので結局諦めたんですが。

 そのうちレンタルビデオ屋さんからひっそりこのビデオシリーズも
 なくなって、私も大人になって、それでもこのジャケットには未練
 がありいつかいつかと想い続けていたものです。
 で、ようやくその夢が叶ったわけだ(完品ではないが)。

 当時の私がこれを見たらどう思うことだろう。
 嬉しい? 嬉しいよね。
 だってこの子達は全部自分のものなんだよ。
 誰にも返さなくていいし、ずっと眺めてても「また来てるわ、何な
 のあの子……」とお店の人達に不審がられることもないのよ。
 でもどうしてかしら……


 素直に喜べないこの心のモヤモヤは。


 って言うか新キャストの商品にこの絵使ったら本当にぶっ飛ばすか
 らな(誰を)。っつか、マジで赦さない。
 この星矢と紫龍と氷河と瞬と一輝はオリジナルキャストの演じた彼
 等をイメージして描かれたものだとずっとずっと長い間信じてきた
 んだから。
 ああでも綺麗。特に紫龍と瞬と一輝。
 どうしてくれようかしら。いや、絵が相手なんだから出来ることな
 んて限られてはくるんですけれども(笑)。

 まぁ今はとりあえず素直に喜んでおこうか。
 良かったな、私!!


2006年11月12日(日)
まだまだ子供なもので…


 安価だったので一週間程前に入手した≪聖闘士星矢 チェスコレク
 ションDX≫。
 第一弾と第二弾のフルコンプセットです。
 発売当時第二弾のキャラクター(下記右側のメンバー)を見て「何だ
 この中途半端な面子は。何で黄金聖闘士なのに六人しかいないんだ」
 と大変不愉快だったんですが第一弾と並べて気が付きました。これ、
 ≪聖域十二宮編≫の主人公達の対戦相手になっていたんですね。

 キング  :女神・城戸沙織 vs 教皇・???
 クィーン :ペガサス星矢 vs 獅子座
(レオ)のアイオリア
 ビショップ:ドラゴン紫龍 vs 山羊座
(カプリコーン)のシュラ
 ナイト  :キグナス氷河 vs 水瓶座
(アクエリアス)のカミュ
 ルック  :アンドロメダ瞬 vs 魚座
(ピスケス)のアフロディーテ
 ポーン  :フェニックス一輝 vs 乙女座
(バルゴ)のシャカ
      ※ちなみにアルデバランとデスマスクとミロは無視され
       ているようです(失礼)。

 第二弾はメインキャラクターが一人もいないので売れ行きが不安だ
 ったのか(笑)、六種全てコンプリートするとムウと貴鬼が完成する
 パーツ入りになっています(←人気キャラだしな)。

 沙織がキングで星矢がクィーンという居心地の悪さと一輝とシャカ
 がポーンであるという哀しさとこんな時でも抜け目なくナイトの
 座に居坐っている氷河が気になる
今日この頃ですが、まぁ面白い
 商品だとは思います。顔は不細工なんですけどね?(致命的)


2006年11月14日(火)
素晴らしき兄弟愛

 ≪真紅の少年伝説≫で崖から落ちそうになった時“自分を引き上げ
 てくれた手”だけを見て咄嗟に「ありがとう兄さん」と言いかけて
 しまったアンドロメダ瞬君(←実際は紫龍だったので「ありがとう、
 に……紫龍!」という中途半端に笑いを誘う科白に切り替えて下さ
 っていたが)。

 いつからだろうか
――恐らくかなり序盤から――弟・瞬がとどめを
 刺されそうになると必ずどこからか現れるようになった兄・フェニ
 ックス一輝。

 弟「兄さん……やっぱり来てくれたんだね」
 兄「ああ、勿論」←さも当然のように「勿論」とか言ってないで
 まには氷河や紫龍ンとこにも行ってやれよ


 毎回毎回ギリギリにならないと現れないところを見ると兄は弟の闘
 いぶりを暫く静観しているらしい。

 まぁそれはいいのだが(良くはないが)問題はこの遣り取りを繰り返
 しているうち二人の少年の間に漂う雰囲気に甘やかさ(?)が増して
 きたということである。

 妙に扇情的な目付きで兄を見上げる弟とそれに比例して口調や眼差
 しがどんどん優しくなってゆく兄。

 やばい。目の前に敵がいなければチューしそうな勢いだ。

 瞬がエスメラルダに似ているのかエスメラルダが瞬に似ているのか、
 とにかく一輝にとって瞬が好みのタイプであることには違いない。
 様々な経験を経て最後には瞬が一輝の前に立ち塞がり「僕が兄さん
 を守ってみせる」と言うまでに成長したが、そんな瞬の様子にさえ
 一輝はときめいた表情を見せていた。
 そんな兄弟を観て更にときめくアホな私。

 そうだ、そういや私は兄弟萌えな人だった(特に二つ差。←一輝
 と瞬は十五歳と十三歳)。
 他人だったから良かったものの御手洗と石岡君が兄弟だったら萌
 え死んでいたところだ
(こちらも二つ差。まぁあんな出逢い方で
 兄弟も何もないものだが)。

 いや、リアリティはあまりないから≪〜星矢≫でパロディ書こうと
 までは思わないんだけどね?(ああ見えて瞬は結構ドライな子だし)
 でも“一輝×瞬”って“氷河×瞬”よりは現実になり易いかもな。
 ↑
 氷河と瞬は実際仲もいいしヴィジュアル的にはそれはまぁ申し分の
 ない王子×姫カップルなのだが氷河は何よりマーマを愛しているの
 で“朝から晩まで瞬のことを考えているなど有り得ない”(一輝
 ならあるかも知れないが
)。彼の朝の挨拶は「愛してるぜ瞬」では
 なく「愛してるよマーマ」であるはずだ。

 それより私に理解出来ないのは“紫龍×氷河”というカップリング
 である。これがどうにも分からない。
 だってこいつ等絶対仲悪いって紫龍は真面目なので氷河のいい
 加減さを生涯認めることなど出来はしないだろう
(何においても
 そうなのだから:笑)。

 まぁ何にしてもいいね、闘う美少年達。
 乙女に大いなる夢を与えるよね。夢と言うかささやかな妄想も与え
 るが。

 しかしこんなところにも顔を出さない星矢ってのは一体どうい
 うわけなんだろうね

 一応主人公なのにさ(笑)。


2006年11月15日(水)
何てことだ!(噂だが)

 「石岡君、何とあの藤原紀香が陣内智則と結婚するらしいぜ!」
 「ええっ、何だって急にまた!! うわぁ、凄いなぁ、でもそのニュ
 ース羨ましいのを通り越して何だか結構ショックだよ」
 「まぁ別に僕はどうでもいいんだけどね。
――ってなわけで石岡君、
 君も僕と結婚しよう!
 「はあッ!? 何なんだお前はいきなり! って言うかそのニュース
 と僕等の結婚は何の関係もないことだろ!?」
 「ああ別に関係はないよ! でも何かもうこの世の中何が起こって
 も不思議はないって言うか、何でも赦されるような気がするじゃ
 ないか!?
 「全く違うことだよ!! しかも世の中的にどうであれその前に僕が
 同意しなけりゃ結婚なんか出来やしないんだぜ!?」
 「同意しないって言うのか!?」
 「するわけねーだろ!! 何なんだその“同意するのがさも当然
 みたいな言い方は! お前何か勘違いしてないか!? 僕は世間が赦
 さないからお前と結婚しないわけじゃないんだぞ!?」
 「じゃあ何なんだ僕達は!」
 「うるせー、こっちが訊きたいよ!!」



 ……って言うか、何で二人共喧嘩腰?(笑)

 
――いやぁ、私お二人の共演ドラマも観てましたしお互い好印象っ
 ぽいのは知ってましたけど、ここまで親密になっているとは夢にも
 思っていませんでした。
 何だかちょこっと腑に落ちない……って言うか、何て羨ましい話な
 んだ……(だって奥さんが藤原紀香なんだぞ?)。
 ああ、いいなぁ、凄いなぁ。
 本当に人の縁って分かんないもんですね。


2006年11月18日(土)
びーえる

 一部では≪聖闘士星矢≫のキャストを現代の声優さん達に代えたの
 は“現在流行っているBL商売”に目を付けたからではないかとい
 う噂があるが
――私個人の意見としてはBL的に共演の多い森田さ
 ん、櫻井さんを起用したことと新生お披露目のラジオドラマをBL
 系ラジオに流したことから考えてもその説は結構有力かと思うのだ
 が
――以前から言っているように“今のBLの流行”、私は大層お
 気に召していない。
 幻想耽美、文学的官能小説を愛する者にとってはこのブーム程目障
 りなものはないのだ。

 今でこそ“ボーイズラヴ”というジャンルを確立してくれたから赦
 せるものの少し前までは男性同士の恋愛ものは全て“耽美系”と酷
 く乱暴に括られており私はそれがどうにも我慢ならなかった。耽美
 とはあくまで“人の目に付きにくいところでひっそりと妖しく咲く
 毒の花のようなものでなければならない”というのが私の持論であ
 り信念である。
 背徳感も障害も葛藤も悲劇も精神美も毒気も文学も
――酷ければ妖
 艶さも美しさも
――ない、こんな作品でも人々が“耽美”と称する
 のが堪らなく不快でならなかったのだ。
 大手書店の明るく大きなコーナーに平積みにされているようなもの
 は決して耽美作品ではない。

 まぁ話は逸れてしまったが
――…私が何を言いたかったかと言うと
 “BLを狙って創った他ジャンル作品”は本物の耽美作品愛好家に
 は大して受けないということだ。
 そんなものは狙わず創ったものの方が余程同人界の女性達は豊かな
 想像力を働かせ、作品の中にそれを見出そうとする。分かり易過ぎ
 るお膳立てなどはいらない(逆に醒める)、そのまま美少年達を傷付
 かせ打ちのめしそこにいくつか妄想を呼び醒ますエッセンスを振り
 掛けておくぐらいでベストだったのだ。
 BL的に≪〜星矢≫を創ったことは失敗だったと私は思う。
 何故なら本物の耽美作品愛好家はこうした“狙い”的なものを嫌悪
 する傾向が強い上、現代のBL愛好家はこんな作品ではなく“本物
 のBL作品”の方に興味を引かれるはずだからだ(この物語やキャ
 ラクター達に余程の執着がなければ)。
 一体原作者はどれだけBL商売の現状を理解しているのか。もっと
 BL愛好家の関心を引ける作品は今世の中に五万とあるのだ。
 誰がこんな二十年以上も続いている長い物語に“今から”関わりた
 いと思うだろう。少し賢い人なら面倒だからと他を捜すに決まって
 いる。

 大体。

 そんな下らないことを試みずともこの作品にはその手の魅力は十二
 分にあった。だからあんなにまでも同人誌が創られたのだ。放って
 おいた方が絶対に良かったはずだ。

 それからついでに言っておくが古谷さんはあの時代には非常に珍し
 かった≪パタリロ!≫や≪ストップ!! ひばりくん!≫という同性
 愛作品のレギュラーだったし、鈴置さんだって現在世に溢れている
 BLCDの元祖とも言われるカセットJUNE≪鼓ヶ淵≫で三ツ矢さん
 と濡れ場を含む恋愛劇を演じていた(これは文学的耽美小説だが)。
 またつい最近まで忘れていたが堀川さん、堀さん両名も“二人が恋
 人同士”という設定のCDドラマに出演していたこともあり(この
 組み合わせは明らかに狙いだったんだろうが、それにしてもお二人
 共よくこんな仕事受けたな……)、自慢ではないがその手の道でも
 こちらの方が立派に先輩なのである。
 健全な芝居しか出来ないと思ってベテラン声優を舐めんなよ?
 いや、何やら変な勝負になってきていることは分かってはいるの
 だが……(苦笑)。

 私にしてみればそういう意味でも“新生星矢”は何もかも軽くなり、
 ランクを下げられたような気がしてならない。
 多くの視聴者からチンピラ星矢、盗作紫龍、無個性氷河、さかなク
 ン瞬、オッサン一輝と称されていた“新生星矢”だが(作画に迫力
 がなくて一輝が“火の点いたニワトリを投げているようだった
 と書かれていたのには泣いた……。あの強かった一輝兄さんが……
 :泣)、私はもうそんなことだってどうでもいい。←しかしあの氷
 河を“無個性”にするとは
、恐るべし三浦祥朗!!

 “新生星矢”を貶めるのも一つの反対運動かも知れないが私は“真
 正星矢”の素晴らしさを少しでも多くの人に伝えることで反対運動
 をしたいと思う。
 だってその方が前向きでしょ? オリジナルキャストの熱演は世に
 残すべきだと思うから。絶対。










 ********* 注:エロ話 *

 それにしても“堀×堀川”のCDドラマには正直参った……。
 “そういや何かあの二人のラブラブなCDが家に転がってたよなぁ”
 みたいな感覚でちょこっと聴いてみたら、たった十七分程度のドラ
 マの中で抜くわ挿れるわ(本当によく引き受けたな、この仕事……)。
 堀川さんはちょっと言葉遣いの乱暴な我儘美少年、堀さんは大人び
 てはいるがちょっと調子のいい同級生という役どころだったのだが、
 このCDお二人が瞬と一輝の時と違う声の遣い方をしていてくれた
 のがまだ救いだったと言うか惜しかったと言うか(笑)。
 男性同士の肉体関係に戸惑う堀川さんを巧く籠絡していく堀さんを
 聴いていると「ああこれあのトーンで演られてたら大変だったなぁ」
 と思ったり……。
 いや、だからこそやっぱりお二人共ちょっと声の調子を変えたんで
 しょうけど。

 でもこのCD聴いた後に≪〜星矢≫のカセット文庫再生したのはマ
 ズかったね。何でもない一輝と瞬の会話が妙に気恥ずかしく感じら
 れてどうしようかと思ったよ(笑)。

 そんなこんなで今日も明日も脳が腐っている私(どうしようもない
 女だな)。


2006年11月20日(月)〜2006年11月21日(火)
長年の夢


 11月20日、≪聖闘士星矢≫関連で物凄いものを落札してしまいまし
 た。金額が少し大きいのでどうしようかと数日間悩んだのですが、
 何だか今回を逃したらもう手に入れる機会もないような気がして…
 …。
 
 でも直接出品者様に分割の御相談をしてみたところ、非常に丁寧で
 お優しいお返事が返ってきました。入札してみて本当に良かった!
 (ノ_<。)

 子供の頃からの夢を叶える為に、これから数ヵ月一生懸命働こうと
 思います。


2006年11月24日(金)
どこか悪いのでは、


 と真剣に考え込みたくなるような気分の悪さと眩暈、胃痛、腹痛に
 悩まされた一日。
 最近仕事が忙しかったことと11月23日までに≪馬車道の名探偵≫内
 の工事を終えなければならないと頑張り続けていた疲れが出ただけ、
 ということならばまぁいいが……

 救急車呼んで貰おうかと思ったよ。
 気を付けなくては。本当に。


2006年11月27日(月)
はい、潔に誕生日プレゼント(笑)


 ********* 注:エロ話(…かな?) *

 「御手洗……」
 「…ん……」
 「そこじゃ、ないよ……」
 「……
――……ここ?」
 「んん、……ねぇ、もう、ちょっと……強く…やってよ……」
 「うん……」
 「…………」
 「…………」
 「…………」
 「…………」
 「……――…あー……何かなー…………
こいつ、違う……
 「…えっ?」
 「〜〜〜〜ああぁ〜、何なんだよもうお前はっ!! あぁーっ、何か
 微妙〜に苛々する! 全然駄目だ、失格ッ!!
 「え……
ええ!?
 「もう、何だってそう畏る畏る触ってくんだよっ! キスだって短
 かったし!」
 「ええ!? だって先刻
(さっき)顔を近付けたら小さな声で『…やだ』
 って言ったじゃないか?」
 「バッカお前、あんなのちょっと可愛子ぶってみただけだろ!?
 もっとこうガッと来いよ、仮にも御手洗なんだから! 大体お前
 やる気ないよ、何か大人し過ぎ、御手洗のくせに
 「はあっ!? 何なんだ石岡君、訳が解らないよ! って言うかその
 前にあったちょっとショッキングな裏の顔はさて置くとして
 “御手洗のくせに”ってどういう意味だ?」
 「だから! お前は御手洗潔なんだろ? だったら『あぁ、もうこ
 
んなになって……何て厭らしいんだろう君は』とか『この世で君よ
 
り美しいものを僕は見たことがないよ』とか。ちったぁ囁いてみろ
 よ! くっさい科白だけで僕をイカせてやろうぐらいの勢いで
 さぁ!
 「何だそれっ!? って言うか何でそんな思ってもいないことをこん
 な場面で言わなくちゃならないんだ!?(ちなみにたった今君が意外
 に厭らしい男だということは判明したが)」
 「もう、くっさい科白と類稀なるテクニックを期待して泣きの芝居
 まで用意してきたのに! お前がそんなんじゃこの僕が最高に耀け
 ないじゃんか! って言うか、僕が勿体無い!!
 「いいっ、石岡君っ!?」
 「ほらー、何か言ってみろよ、キッザ〜な科白。お前そういうの得
 意だろー? 何でもいいからさぁ」
 「
――…こんな状況で言える科白も神経も持ち合わせてはいないん
 だがね……」
 「ええー? 何だよもう、繊細だなー。君ってそんなキャラだった
 っけー?」
 「君こそそんなキャラだったっけ……?」
 「あーあ! 君に『こんなに淫らではしたない身体だとは思わなか
 ったな……』って意地悪嬉しそうに囁かれるのを楽しみにしていた
 のに! 幻想だったな! 君がそんな人だとは思ってもみなかった
 よ」
 「君が一体どれ程淫らではしたない身体の持ち主なのかは予測
 も付かないことだけれど
最後の一文をそのままそっくりお返しす
 るよ」
 「あぁ、裏パロの石岡君は素敵に厭らしい御手洗にあんなにまでも
 可愛がられているというのに。羨ましいな、裏パロの僕! 代われ
 るものなら代わって欲しいよ……」
 「そこまで言うか!? って言うか裏パロなら藤宮ンとこのでもいい
 のか!? 結構酷い目に遭わされるぞ!?
 「あれはあれでいいのさ……彼等は何かもう精神的に別の世界へ行
 っちゃってるからね……(恍惚)」
 「石岡君、何を求めているんだ君は……戻ってきてくれ……(泣)」
 「
――…さぁ御手洗……二次元の彼等に出来て僕等に出来ないはず
 がない、もう一回始めからやり直そう……? 
――じゃあ、まずは
 君のくっさい口説き文句から!
 「まだ拘るのかそれに!! うわーん、もう誰だよ、僕のイメージ
 をこんな風に固めちゃったの! っつか、厭だよこんな石岡君! 
 あぁ、夢なら早く醒めてくれ……!!」
 「はぁ? 何アホなこと言ってんだ、最高のプレゼントを前にして
 贅沢な。――今夜は、寝・か・せ・な・い・か・ら・ね……?」



 
――大して面白くないですがUP出来なかった裏小説の代わりです
 (日記に書くな:笑)。
 御手洗さん、お誕生日おめでとうございます
vv



 追記:奇しくも今日偶然凄い情報を入手してしまいました。あれは
    文字通りに受け取ってもいいんでしょうか……まだここには
    書けませんけれど(^-^;) 正直心臓跳ね上がりましたね。
    私は潔を今心から応援したいと思っています。


2006年11月28日(火)
うぅん(-"-;)

 本日私の憧れの御石サイトの管理人様からweb拍手のお返事をいた
 だきました。お話出来たことがとても嬉しかったんですが、こんな
 ヘボサイトにリンク張ったら不快に思われるんでしょうかね、やっ
 ぱり……。

 
――と、いうことでリンクをお願い出来ていないお気に入りの御石
 サイト様が実はいくつかあるわけなのですが。
 だってこういうのってお願いされたら(厭でも)断わり辛いものじゃ
 ない?
 何かうちは特に……微妙よねー……(じゃあ変なもん書くなよ)。



 リンク張らせてやってもいいぜ? というサイトの管理人様は是非
 御一報下さいね。宜しくお願い致しますm(u u;)m


2006年11月29日(水)
開眼

 そうか。
 ファン(或いは石岡君)に対する慰め、建前だったら

 ・御手洗さんは石岡君に友情を抱いている

 でもいいのか。わざわざ言葉を“愛情”にする必要ないよな。それ
 でなくとも疑われているというのに。
 “友情”で足りなければ“深い友情”でもいいのにそれを選ばない
 のはやはり意味があるからなのか。

 奥深いよな。


2006年11月30日(木)
振り返ると色々と

 2000年頃だったでしょうか、島田先生がとある場所でこんな発言を
 していたことがありました。

 それからみなさん、突然ですが、実は御手洗潔氏が今、学会の倫理
 規程模索の集まりでLAに来ています。あと一日程度はルーズヴェ
 ルト・ホテルに滞在しているようです。そこで、もうあまり時間が
 ないのですが、彼に質問して欲しいことが何かありましたら、急い
 でここに書き込んでおいてください。私が訊いておいてあげます。
 ただし、石岡君と肉体関係あるのかとは、私はちょっと訊けません。
 また、いつ日本に帰ってくるのかとか、レオナをどう思っているの
 かといった類の質問も、彼は食傷気味のようですので別のものにし
 てあげてください。レオナに関しては、訊いてみようとは私も思っ
 ていますが。でもああいう人間ですので、ちゃんと応えてくれるか
 どうかは保証の限りではありませんが。


 この“質問して欲しくないと仰った三つの項目”を目にした瞬間、
 私は何とも言えずおかしな気分になったことを憶えています。
 (以下はあくまで仮の答えですが)だってこんなの別に難しい質問で
 もないと思いませんか?
 「石岡君と肉体関係はあるんですか?」
 「ありません」
 「いつ日本に帰ってくるんですか?」
 「分かりません、状況次第です」
 「レオナをどう思っているんですか?」
 「言葉では表現しにくいけれどいつも心配はしています」

 これで充分じゃないですか(納得するかどうかは別として)。

 実際世間話がインタヴューに変わる気配を察した御手洗さんはうん
 ざりした顔になりこう言いました。

 「久しぶりに会ったのに、記者会見ですか」
 「聞かなくてもそこに書かれてあることは解りますよ。石岡君とは
 深い仲なんですか? レオナの気持ちに応える気はないのですか?
 馬車道のアパートには帰らないのですか?」


 しかし島田先生がそれ以外の質問だと言うと彼は機嫌良く全ての質
 問に答えようとしてくれたのです。
 が。
 少しでも石岡君の話題に触れようとすると途端にまた不機嫌さを顕
 にする御手洗さん。
 友人のことを訊かれただけでそんなにまでも不愉快な表情を見せる
 のは一体何故なのか、とそれだけでもう疑問なんですが。
 一番苦笑を誘ったのはこの会話です。

 「質問はまだありますか?」
 「まあ正直に言えばあるんだけれど、じゃああと少しだけ。とても
 多いものが、石岡君の風貌を教えてくださいというもの」
 「(眉間に皺を寄せ)そんなの、当人を見にいけばいいじゃないです
 か」
 「君の口から聞きたいんだと思う」
 「そんなことにどんな意味があるんですか?」


 
――見に行っていいのかよ! と思わず突っ込んでしまいましたね。
 答えた後に多分“しまった”と思ったはずなんですが。

 いや、色々ボロと言うか、出してきてますよね、彼は。
 大体好きな石岡君の手料理が“手巻き寿司”って貴方(笑)。
 レパートリーがそこそこ多い中から鯖の味噌煮とこれをチョイスす
 るっていうのは、やっぱり意味があるとしか思えない。
 「あの味は懐かしいな」って言われてもねぇ(濃いですぜ、兄さん:
 苦笑)。



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