好きだった

 気付いてたんだろう?

 だけど君は とうとう最後まで振り向いてはくれなかった

 僕を選びはしなかった



 怨んでなんかいないよ

 憎いと思ったこともない

 だって君は 呼べば立ち止まってくれた

 僕から逃げたりしなかった



 充分だよ

 分かってる

 初恋なんて 成就しないものだもの

 でも僕には この恋を諦める勇気がない

 ごめんね……



 今日から僕は 湖で暮らす

 どこまでも蒼く 透明な世界で……

 君と言葉を交わすことは出来ないけれど

 僕はいつまでも 君の傍にいるよ

 これが僕の 愛の証



 さようなら ルース
――