ET CETERA 002-4 / TYPE-S 秋の午睡 ―SIDE・I− あきのごすい ―サイド・アイ― |
うたたね 今日は久し振りに リビングのソファで転寝 いつもは彼の指定席 でもたまには 僕に譲ってくれてもいいだろう? さて彼は どうするだろう 眠っている僕を見つけて つ 呆れたように片眉を引き上げ 溜め息を吐くだろうか それとも 風邪でもひかないようにと 掛け布でも持ってきてくれるかな …いや そんな優しさ 僕にだけはくれないって 分かってはいるのだけれど ふとあの夏のことを 思い出す 僕が半身を喪った 辛く苦しく長い日々 彼はいつだって 彼はどんな時だって ただただ僕の傍にいて 壊れそうな心を 守り続けてくれたんだよね だからこれ以上の期待はせず とき 今は静かな時間を過ごしていよう 彼の親友でいられるように 彼の支えになれるように そしていつかは―― 彼の“特別”に なれるように |
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