【 紫菫様 】 |
喰闇花 |
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夜の狭間 谷間の奥底 人目を忍んでひっそりと咲く 墨紫の小さな菊花 濃い飴色の蜜を滴らせ 猛り持つ雄を妖しく誘う それはさながら 食虫花 『こちらへおいで 吸わせてあげる どろどろに甘い 極上の蜜』 淡く綻ぶ窄まりが 無音で発する 神秘のシグナルは 今日も明日もまたひとり 往く方知れずの若者を 闇夜にこそりと生み出してゆく 夜毎生餌を食んで咲き誇る 闇紫の小さな毒花 誰も手折ること叶わずに 深淵で身を滅ぼすばかり 夜の狭間 谷間の奥底 人目を忍んでひっそりと咲く 墨紫の小さな菊花 絞り尽した樹液で孕むのは・・・ |
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心の師匠、紫菫さんが またまた素晴らしい作品を書き下ろして下さいました。 幻想耽美画の巨匠、山本タカトさんの絵画に触発され書かれたものなので 今回は少々(?)大人風味にございます。 でも綺麗なんだよなぁ……やっぱり(私とは)基礎からして違うね! 最近創作から離れていたそうですが充分現役だと思います。 本当にありがとうございました。 また気が向いたら宜しくお願い致します (まぁ何て図々しい:笑)。 |