鬱陶しい

 慕われるのも 度が過ぎると重荷だ
                  
ことば
 絶えず追ってくる視線に 投げ掛けた科白

 “俺の前から 消え失せろ”



 俺を好きだと 潤んだ眸で訴え続けた少年は

 それきりぷっつりと 消息を絶った

 その程度の想いなら いらない



 
――俺を追う視線は消えた

 世界が明るく見えたよ

 友人への影響 世間体

 何一つ壊さずに済んだから
       
 めぐ
 そして 季節は廻り……



 気付いた時には もう遅かった

 俺は失くしてはならないものの方を

 自ら選び 切り捨てた



 望んだのは 俺

 このどうしようもない切なさを

 選んだのは 俺……