ポケットの中には

 沢山の夢
      
  ビーだま
 七色に光り耀く硝子玉
         
コイン
 見知らぬ国の古い金貨
    
フォトグラフ
 色褪せた写真



 身体いっぱいに太陽を浴びて

 無邪気に微笑み 駆け回る少年達



 窓の外 光の世界

 憧れて 憧れて 
――遠くて



 僕はいつだって ベッドの中 ひとりぼっち

 真っ白な肌 か細い身体

 ……哀しくて



 ある土曜日の午後

 心の壁を壊しに来た訪問者

 窓枠に両手を掛けて



 “ねえ 僕達と一緒に遊ぼうよ”



 小さな冒険者達は

 沢山の宝物を 僕に披露してくれた



 そして……



 僕はベッドの中

 待ち遠しい朝を 夢見て眠る


    
あした
 “また明日 遊びに来るからね”