花散らし 風が舞う

 例えるならば
―― 美しい庭園か

 けれどここは 闘技場

 何の為 渦巻く野望と血に染まる

 魔物達の死の聖域


           
いのち
 憎悪なき相手を倒し 生命を懸けて

 いくつもの犠牲を払いながら

 何の為

 オレは 闘うのか



 目の前で また一つ……
 
いのち
 生命の炎が消えてゆく

 簡単なことのように 花が散るように



 そして

 オレは何度目かの 勝者の名乗りを上げ

 その虚しさに 血の涙を流すのだ



 花散らし 風が舞う

 オレはただ

 あの人を守りたかっただけなのに
――