磨き上げられた ショーウィンドー

 その向こう

 淡く青紫に耀く枠に 銀色の弦を張った

 小さな ……硝子の竪琴



 その竪琴が欲しくて



 けれどそれは 叶わぬ夢

 僕のポケットには 鈍く光る銅貨が……七枚……



 それでも
―― その竪琴が欲しくて



 僕は 少しの勇気を出した

 そして 夢は叶った



 世界中捜しても二つとないだろうな 素敵な硝子の竪琴

 それが今 僕の手の中に

 どうして……?

 銀色の弦は 重い罪の涙に 小さく音を立てるだけ

 小さな硝子の竪琴

 銀色の弦は…… ただ 濡れて光るだけ……