誰よりも 素敵だった

 頭が良くて スポーツ万能で 人望があって

 背が高くて ハンサムで
           
ひと
 ……たった一つだけ 他人も見過ごしてしまう程の

 大きな欠点があったけど

 僕はその欠点ごと 彼を愛してしまったから



 玉砕覚悟の告白

 クールな彼は 簡単に僕の想いを受け入れた


                  
 フィアンセ
 そして
――美しく聡明な社長令嬢 彼の婚約者



 “お遊びはもう終わりだよ”

 クールな彼は 簡単に僕の想いを断ち切った



 零れる涙 分かってたくせに

 “貴方が幸せなら” 笑顔で嘘吐いて

 仕方ないよね

 だって 僕はその欠点ごと 彼を愛してしまったから



 きっと 彼の眼に 僕の姿は映っていなかった

     彼の耳に 僕の声は届いていなかった

 冷たいね

 だけど 僕はその欠点ごと 彼を愛してしまったから
               
ひと
 これが 自分の選んでしまった運命だから……